一人親方が労災保険に入る方法
建設業の一人親方が労災保険に入るには、労働局の承認を受けた特別加入団体に申し込みます。個人で労働基準監督署に直接申し込む方法はありません。
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団体を通さないと入れない理由
一人親方の特別加入では、団体を「事業主」、団体に入った一人親方を「労働者」とみなして、労災保険をかけます。保険料の申告や納付、加入・脱退の届出は団体がまとめて行うので、加入するにはまず団体の構成員になる必要があります。
団体は、労働局長の承認を受けたところに限られます。厚生労働省は承認を受けた団体の一覧表を公開していて、このサイトに載せている団体もこの一覧表から取っています。
団体の区域
一人親方の団体が受け付けられる地域は、原則として団体の事務所がある都道府県と、その近くの決められた区域までです。災害防止の研修などの要件を満たした団体は、区域を超えて受け付けることがあります。住んでいる県の団体から探し、見つからなければ近くの県の団体を見る、という順が分かりやすいと思われます。
入れる人
人を雇わずに、建設の仕事(土木・建築その他の工作物の建設、改造、修理、解体など)をするのが普段の形になっている人です。大工、左官、とび、内装、電気工事などの職人が当てはまります。一人親方の仕事を手伝う家族も入れます。
人を雇う日が1年に合わせて100日に満たなければ、一人親方として入れます。100日以上雇うなら中小事業主の側になり、労働保険事務組合を通して入ります(労働保険事務組合とは)。
加入までの流れ
- 団体を選んで申し込む。する仕事の具体的な内容、これまでの業務歴、希望する給付基礎日額を伝えます。
- 本人確認を受ける。団体は加入する人の本人確認をすることになっていて、原則として顔写真付きの身分証を見せます。顔写真がない書類なら2点以上です。
- 健康診断が要るか確かめる。粉じん作業や振動工具を使う作業などを一定の期間していた人は、加入の前に健康診断を受けます(健康診断が要る業務)。
- 団体が労働局へ届け出る。団体は労働基準監督署を通して、労働局長に「特別加入に関する変更届」を出します。
- 承認された日から補償が始まる。承認されるのは、届出の翌日から30日以内で、加入を希望した日です。
届出の翌日から認められるので、「最短翌日」をうたう団体が多くあります。ただ、団体が書類を受け付ける締め切りや支払いの確認があるので、実際にいつから入れるかは団体ごとに確かめてください。
加入前のケガはさかのぼって補償されない
特別加入は任意の制度なので、さかのぼって承認されることはありません。届出の前に起きたケガは、あとから加入しても補償の対象になりません。現場に入る日が決まっているなら、余裕をもって申し込むのが良いでしょう。
申込みのときに用意するもの
- 本人確認の書類(運転免許証、マイナンバーカードなど。顔写真がないものは2点)
- する仕事の具体的な内容(職種、主な作業)と、その仕事をしてきた期間
- 希望する給付基礎日額(3,500円〜25,000円のどれか)
- 健康診断が要る人は、その証明書
- 保険料と団体の会費(払い方は団体によって違います)
申込書の「業務の具体的内容」は、事故が起きたときに労災保険の対象になるかを判断する材料になります。厚生労働省のしおりでも、明確に書くよう求めています。普段している作業は漏らさずに書いておくのがベターです。
保険料と費用
建設業の一人親方の保険料率は1,000分の17です。給付基礎日額10,000円なら、4月から1年間の保険料は62,050円になります。この保険料はどの団体で入っても同じで、別に団体の入会金や会費がかかります。
年度の途中で入ると、保険料は年度末(3月)までの月数分になります。計算のしかたは保険料の計算のしかたにまとめました。
入ったあとに気をつけること
- 仕事の内容や氏名が変わったら、団体を通して変更届を出します。事故のあとに出しても、その事故の給付には反映されません。
- 保険料を払っていない期間に起きた事故は、給付が減らされたり出なかったりすることがあります。
- 団体をやめた日に、特別加入者でもなくなります。
- 翌年度も続けるときは、団体の案内に沿って更新します(年度更新と3月の手続き)。
出典
- 厚生労働省「特別加入制度のしおり(一人親方その他の自営業者用)」(R8.1)
- 神奈川労働局「労災保険の特別加入制度(一人親方その他の自営業者)について」
- 北海道労働局「労災保険の特別加入制度について」(労働保険事務組合向けの手引き)
- 厚生労働省「特別加入保険料率表」(令和6年11月1日施行)
- 厚生労働省「特別加入団体一覧表」(「労災保険への特別加入」のページに掲載)
制度の内容は、上の資料で確かめた時点のものです。手続きの細かい扱いは労働局・労働基準監督署や団体によって違うことがあるので、申し込む前に確かめてください。
